民法(解除後の第三者からの転得者と解除権者の関係)

※ついこの間、自分が疑問に思っていたことが解決したのでまとめました。というか、単なる備忘です。

 

何を言っているんだと思うかもしれませんが、簡単に言うと以下のとおりです。

AがBに対し、自己所有の不動産である甲不動産を売却した。その後、AはBとの売買契約を解除した(541条)が、その直後、Bは知人Cに対し甲不動産に関する売買契約を締結し、Cは移転登記を備えた。その後、CがDに対し甲不動産を転売し、Dが登記を備えた場合におけるA・D間の法律関係についてである(本問ではわかりやすく全員善意であることを前提にしている)。

以下、簡略図です。

①売買(②解除)   ③売買      ④売買

Aーーー→Bーーー→C---→D

 

Cまでの関係あれば、いわゆる解除後の第三者の論点であるため、容易に解決できる。つまり、判例に従えば、AとCは対抗関係に立つ結果、先に登記を備えたCが優先するというものである。

では、その後の転得者であるDとの関係はどうなるのか?というのが、今回の疑問点である。

ありえそうな考えとしては、①AとDは対抗関係に立つ→Dが先に登記を備えているからDが優先する。②対抗関係に立つAとCのうち、Cが先に登記を備えAに優先する結果、Aは無権利者になることが確定しているから、そもそもDとの間で対抗関係に立たない→よって、Dが所有権を有効に取得できる。

 

 

以下、正解を載せるので簡単に答えを考えてから見てほしい。

 

 

 

 

 

結論から言ってしまうと、正解は②である。

そもそも対抗関係に立つ場合がどういう場合かを考える必要がある(これについては各自でどうぞ)。二重譲渡の事例でも、不完全な形ではあるとはいえ所有権を取得しているために対抗関係に立つ。

なお、AとDとが対抗関係に立つのは、Cが未登記のまま甲不動産をDに譲渡した場合であり(先の場合とは異なりAC間での優劣関係が決せられていないため)、この時にはAとDのいずれか先に登記を備えた者が優先することになる。

 

 

 

民法でよく悩むことが多いが、勝手な妄想から法律関係を考え始めることに端を発していることが多く、この癖を止めないと勉強が進まないのでは?という危機感を持っている。

ちなみにだが、自分で出す結論には自信がないため、必ず民法の教授にメールで確認した上でまとめている。

 

評判良ければもっとまとめるかも。

以上。